栃木県における2019年コロナウイルス感染症の流行

栃木県における新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の流行

コロナウイルス対策で閉鎖された神橋（2020年5月）
疾病	新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)
ウイルス株	SARSコロナウイルス2 (SARS-CoV-2)
場所	日本 栃木県
出現した日付	2020年2月22日[1]
確定症例数	427,994人[2]
重篤症例数	2人[2]
死者数	1,088人[2]

栃木県における2019年コロナウイルス感染症の流行（とちぎけんにおける2019ねんコロナウイルスかんせんしょうのりゅうこう）では、日本における新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の流行のうち、栃木県内での流行について述べる。

全数把握が行われていた2023年5月8日までに、427,994人（うち重症者は2人）の感染が確認され、1,088人が死亡した^[2]。

感染者数

栃木県の新型コロナウイルス感染確認事例数 (

• 表
• 話
• 編
• 歴

) ^[3]
2021年5月9日時点、国籍を問わず

居住市町 / 地域	感染	新規感染	備考
09000合計（全体）	5571	51	死亡者42人の居住地は未公表。
09201宇都宮市	1739	6	鹿沼市内で感染が確認された同市在住の16人、壬生町内で感染が確認された同市在住の2人、芳賀町内で感染が確認された同市在住の2人、さくら市内で感染が確認された同市在住の2人、下野市内で感染が確認された同市在住の1人、那須塩原市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。 発症時に東京都内在住の1人を含む。 退院後、再び陽性反応が出た1人を含む。	[4]
09202足利市	511	1	小山市内で感染が確認された同市在住の1人、宇都宮市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[5]
09203栃木市	485		宇都宮市内で感染が確認された同市在住の8人、佐野市内で感染が確認された同市在住の4人、壬生町内で感染が確認された同市在住の2人を含む。	[6]
09204佐野市	394	4	東京都にも住所がある1人を含む。 宇都宮市内で感染が確認された同市在住の3人、足利市内で感染が確認された同市在住の2人、小山市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[7]
09205鹿沼市	348	2	宇都宮市内で感染が確認された同市在住の20人、壬生町内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[8]
09206日光市	155		宇都宮市内で感染が確認された同市在住の3人、鹿沼市内で感染が確認された同市在住の3人、矢板市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[9]
09208小山市	665		宇都宮市内で感染が確認された同市在住の11人、栃木市内で感染が確認された同市在住の4人、下野市内で感染が確認された同市在住の2人を含む。	[10]
09209真岡市	240		宇都宮市内で感染が確認された同市在住の10人、芳賀町内で感染が確認された同市在住の2人を含む。	[11]
09210大田原市	54	3	宇都宮市内で感染が確認された同市在住の1人、矢板市内で感染が確認された同市在住の1人、那須塩原市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[12]
09211矢板市	24		さくら市内で感染が確認された同市在住の1人、宇都宮市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[13]
09213那須塩原市	120	1	大田原市内で感染が確認された同市在住の2人、宇都宮市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[14]
09214さくら市	60	1	宇都宮市内で感染が確認された同市在住の7人、矢板市内で感染が確認された同市在住の2人、芳賀町内で感染が確認された同市在住の2人、那須塩原市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[15]
09215那須烏山市	39	1	宇都宮市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[16]
09216下野市	137	3	宇都宮市内で感染が確認された同市在住の9人、壬生町内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[17]
09301上三川町	82	4	宇都宮市内で感染が確認された同町在住の14人、下野市内で感染が確認された同市在住の1人を含む。	[18]
09342益子町	34	2	真岡市内で感染が確認された同町在住の6人、宇都宮市内で感染が確認された同町在住の1人を含む。	[19]
09343茂木町	10		宇都宮市内で感染が確認された同町在住の2人を含む。	[20]
09344市貝町	29		宇都宮市内で感染が確認された同町在住の4人を含む。	[21]
09345芳賀町	46		宇都宮市内で感染が確認された同町在住の7人、真岡市内で感染が確認された同町在住の1人を含む。	[22]
09361壬生町	75		宇都宮市内で感染が確認された同町在住の7人を含む。	[23]
09364野木町	42		小山市内で感染が確認された同町在住の2人、宇都宮市内で感染が確認された同町在住の1人を含む。	[24]
09384塩谷町	19			[25]
09386高根沢町	55		宇都宮市内で感染が確認された同町在住の13人、さくら市内で感染が確認された同町在住の1人、芳賀町内で感染が確認された同町在住の1人を含む。	[26]
09407那須町	20		那須塩原市内で感染が確認された同町在住の2人、宇都宮市内で感染が確認された同町在住の2人を含む。	[27]
09411那珂川町	30			[28]
X2他都道府県	103		群馬県 感染36（足利市 11、佐野市 2、宇都宮市 1） 東京都 感染22（那須塩原市 2、宇都宮市 2、安足健康福祉センター管内 1、下野市 1）：小山市内で感染が確認された1人を含む。 茨城県 感染17（県西健康福祉センター管内 2、下野市 2、宇都宮市 2、小山市 1） 埼玉県 感染13（小山市 2、栃木市 1、足利市 1、宇都宮市 1、壬生町 1） 神奈川県 感染3 神奈川県横須賀市 感染1（宇都宮市 1） 静岡県 感染1（日光市 1） 千葉県 感染1 神奈川県横浜市 感染1（宇都宮市 1） 福島県 感染1 埼玉県川越市 感染1（宇都宮市 1） 不明 感染6（宇都宮市 5、県南健康福祉センター管内 1）
X3フィリピン	1		県南健康福祉センター管内 1
X4不明	2		宇都宮市 1

流行の動向

• 
  ソーシャルディスタンスを呼びかける輪王寺の案内（2020年12月）
• 
  オリオンスクエアで行われたモニタリング検査（2021年4月）
• 
  感染対策を呼びかける、（右から）トッキー、ライトくん、ブレッキー（2021年6月）

2020年

• 1月24日 - 第1回栃木県健康危機管理調整会議を開催^[29]。栃木県庁内で情報共有を実施^[29]。
• 1月31日 - 県が新型コロナウイルス感染症対策本部を設置^[29]。第1回会議を開催^[29]。
• 2月22日 - 県内で最初の感染者が確認された^[1]。
• 8月11日 - 県内で最初の死亡者が確認された^[30]。
• 8月21日 - 県と県内の市町が共同で「新型コロナとの闘いを乗り越えるオールとちぎ宣言」を発表^[31]。

2021年

• 1月4日 - 県内で最初の自宅療養者の死亡が確認された^[32]。
• 1月6日 - 宇都宮市が市独自の緊急事態宣言を発出^[33]。
• 1月14日 - 政府は栃木県を含めた7府県を緊急事態宣言の対象地域に追加^[34]。
• 1月21日 - 宇都宮大学が個別学力検査（一般入試）の中止を発表^[35]。
• 2月8日 - 栃木県に発令されていた緊急事態宣言が解除された^[36]。
• 8月2日 - 県が宇都宮市・足利市・栃木市・佐野市・日光市・小山市・真岡市の飲食店に時短営業を要請^[37][38]。
• 8月8日 - 日本政府のまん延防止等重点措置の適用地域に栃木県が追加させた^[39]。茂木町・那珂川町を除く県内23市町を対象地域に設定^[39]。
• 8月13日 - 栃木県内の累計感染者数が1万人を超えた^[40]。

2022年

• 1月27日 - 日本政府のまん延防止等重点措置の適用地域に栃木県が追加させた^[41]。
• 3月21日 - まん延防止等重点措置が解除され、翌22日から栃木県独自の「感染再拡大防止徹底期間」に移行^[42]。
• 4月10日 - 栃木県独自の「感染再拡大防止徹底期間」を終了^[43]。
• 8月5日 - 「BA・5対策強化宣言」を発令^[44]。
• 9月25日 - 「BA・5対策強化宣言」を終了^[45]。
• 11月17日 - 栃木県独自の新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの「同時流行注意報」を発出^[46]。

2023年

• 1月19日 - 栃木県独自の「医療危機警報」を発出^[47]。
• 2月7日 - 栃木県独自の「医療危機警報」を解除^[48]。
• 5月7日 - 栃木県新型コロナウイルス感染症対策本部と基本的対応方針を廃止^[49]。5月8日以降は感染対策を既存の新型インフルエンザ等対策会議に移行^[49]。

集団感染（クラスター）発生事例

2021年7月29日現在、栃木県が認定したクラスター発生件数は81件で、感染者数は1,198人（うち県内確認者は1,168人）である^[50]。最初に認定されたクラスターは2020年6月27日に宇都宮市で発生した接待を伴う飲食店クラスターである^[50]。これ以前の2020年5月に宇都宮市のスーパーマーケットを起点として5人に感染が広がった事例は、宇都宮市が「クラスターと判断した」ものの、県は「同一の場で感染者5人以上」・「家族への2次感染は含まない」ことをクラスター要件としているため、クラスターとは認めなかった^[51]。最も大規模なクラスターは2020年12月28日に鹿沼市で発生した病院クラスターで、職員・患者合わせて143人に感染が拡大した^[50]。

県独自の警戒度

栃木県では、1回目の緊急事態宣言解除に合わせて、2020年5月15日に県独自の警戒度を設定した^[52]。当初は4つの指標に基づき3段階の警戒度を設定し^[52]、8月12日に7指標4段階に変更した^[53]。更に2021年3月5日に5段階へ改訂し、高位の警戒度は日本政府と同一基準とし、低位の警戒度は県独自の基準を設定することとした^[54]。ただし、政府の「まん延防止等重点措置」適用中に県の警戒度を「緊急事態措置」とするなど^[39]、運用面では県独自の判断を行っていた。2022年11月25日に4段階の基準に改訂された後^[55][56]、2023年5月8日に新型コロナウイルス感染症が感染症法の5類感染症に変更されたことから、警戒度は廃止された^[57]。

最終基準（2022年11月25日制定^[55][56]、2023年5月8日廃止^[57]）

指標	レベル4 （医療機能不全期）	レベル3 （医療負荷増大期）	レベル2 （感染拡大初期）	レベル1 （感染小康期）
病床使用率	80%超	50%超	30〜50%	30%未満
重症病床使用率	80%超	50%超	―
新規感染者数	通常医療も含めた外来医療全体がひっ迫し、機能不全に陥るなど想定を超える膨大な数	発熱外来や救急外来に多くの患者が殺到するなど医療の負荷を増大させる数	発熱外来の患者数が急増するなど医療の負荷が懸念される数	外来・入院医療ともに負荷が小さい状態が継続するなど低位か、徐々に増加
新規感染者数の直近1週間と先週1週間の比較

3度目の改訂による基準（2021年11月19日制定）^[58]

指標	レベル4 （避けたいレベル）	レベル3 （対策を強化すべきレベル）	レベル2 （警戒を強化すべきレベル）	レベル1 （維持すべきレベル）	レベル0 （感染者ゼロレベル）
病床使用率	状況をみて判断	50%以上	20%以上	20%未満	新規感染者数ゼロを維持
病床使用数予測		3週後 確保病床超	4週後 確保病床の6割超	―
重症病床使用率		50%以上	20%以上	20%未満
検査陽性率		10%以上	5%以上	5%未満
人口10万人当たりの 新規感染者数		25人以上	15人以上	15人未満

2度目の改訂による基準（2021年3月5日制定）^[59]

指標	ステージ4 （緊急事態措置）	ステージ3 （まん延防止等重点措置）	ステージ2.5 （厳重警戒）	ステージ2 （感染注意）	ステージ1 （感染観察）
病床使用率	50%以上	20%以上	15%以上	10%以上	10%未満
重症病床使用率	50%以上	20%以上	15%以上	10%以上	10%未満
人口10万人当たりの 全療養者数	25人以上	15人以上	5人以上	2.5人以上	2.5人未満
検査陽性率	10%以上		5%以上	3%以上	3%未満
人口10万人当たりの 新規感染者数	25人以上	15人以上	5人以上	2.5人以上	2.5人未満
新規感染者数の 直近1週間と先週の比較	1.0超				1.0以下
感染経路不明割合 （直近1週間）	50%以上		40%以上	30%以上	30%未満

1度目の改訂による基準（2020年8月12日制定）^[60]

指標	特定警戒	感染厳重注意	感染拡大注意	感染観察
新規感染者数 （直近1週間）	100人以上	50人以上	10人以上	10人未満
新規感染者数 （直近1週間と先週の比率）	2.0以上	1.5以上	1.0超	1.0以下
感染経路不明割合 （直近1週間）	50%以上	40%以上	30%以上	30%未満
検査陽性率 （直近1週間）	7%以上	5%以上	3%以上	3%未満
病床稼働率	50%以上	25%以上	15%以上	15%未満
重症病床の稼働率	50%以上	25%以上	15%以上	15%未満
確保病床数・宿泊療養者数に 対する療養者数の割合	50%以上	25%以上	15%以上	15%未満

制定時の基準（2020年5月15日制定）^[61]

指標	特定警戒	感染拡大注意	感染観察
新規感染者数 （直近1週間）	10人超	10人以下	5人以下
検査陽性率 （直近1週間）	7%超	7%以下	3%以下
病床稼働率	50%超	50%以下	30%以下
重症病床の稼働率	50%超	50%以下	30%以下

実際の警戒度の推移は次の通りである。

期間	警戒度	継続日数	出典
2020年5月15日 - 2020年7月26日	感染観察	72	[52]
2020年7月27日 - 2020年11月23日	感染拡大注意	119	[62]
2020年11月24日 - 2020年12月28日	感染厳重注意	34	[63]
2020年12月29日 - 2021年2月21日	特定警戒	54	[64]
2021年2月22日 - 2021年3月7日	感染厳重注意	13	[65]
2021年3月8日 - 2021年3月19日	ステージ2（感染注意）	11	[54]
2021年3月20日 - 2021年7月29日	ステージ2.5（厳重警戒）	131	[66]
2021年7月30日 - 2021年8月7日	ステージ3（まん延防止等重点措置）[注 1]	8	[37][38]
2021年8月8日 - 2021年9月30日	ステージ4（緊急事態措置）[注 2]	53	[39]
2021年10月1日 - 2021年10月14日	ステージ3（まん延防止等重点措置）	13	[69]
2021年10月15日 - 2021年10月30日	ステージ2（感染注意）	15	[70]
2021年10月31日 - 2021年11月18日	ステージ1（感染観察）	18	[71]
2021年11月19日 - 2022年1月12日	レベル1（維持すべきレベル）	54	[72]
2022年1月13日 - 2022年6月24日	レベル2（警戒を強化すべきレベル）	162	[73]
2022年6月25日 - 2022年7月15日	レベル1（維持すべきレベル）	20	[74]
2022年7月16日 - 2022年11月24日	レベル2（警戒を強化すべきレベル）	131	[75]
2022年11月25日 - 2023年3月15日	レベル2（感染拡大初期）	110	[55]
2023年3月16日 - 2023年5月7日	レベル1（感染小康期）	52	[76]

脚注

注釈

1. ^ ステージ3は日本国の「まん延防止等重点措置」相当であるが、県は当初国の「まん延防止等重点措置区域」への指定を申請せず、今後の推移を見て申請を判断する方針であった^[38]。その後、2021年8月2日に「まん延防止等重点措置」の適用を内閣総理大臣に要請した^[67]。
2. ^ ステージ4は日本国の「緊急事態措置」相当であるが、当初の国の指定は「まん延防止等重点措置」であった^[39]。8月20日から国の緊急事態措置に移行した^[68]。

出典

関連項目

• 日本における2019年コロナウイルス感染症の流行状況
  • 日本における2019年コロナウイルス感染症の流行のタイムライン
  • 日本における2019年コロナウイルス感染症による社会・経済的影響
  • 2019年コロナウイルス感染症の流行に対する日本の行政の対応
• クラスター (疫学)
• 宇都宮グランドホテル - コロナウイルス感染症の影響で閉館が決定

外部リンク

• 新型コロナウイルス感染症に関する情報 - 栃木県
  • 栃木県における新型コロナウイルス感染症の発生状況および検査状況について - 栃木県
  • 新型コロナウイルス感染症（変異株）の検査状況及び発生状況について - 栃木県