退化分布

退化分布
確率質量関数
{{{画像/確率関数}}}
累積分布関数
Plot of the degenerate distribution CDF for k0=0
k0=0 の場合の累積分布関数
母数 k 0 ( , ) {\displaystyle k_{0}\in (-\infty ,\infty )\,}
x = k 0 {\displaystyle x=k_{0}\,}
確率質量関数 1 for  x = k 0 0 elsewhere {\displaystyle {\begin{matrix}1&{\mbox{for }}x=k_{0}\\0&{\mbox{elsewhere}}\end{matrix}}}
累積分布関数 0 for  x < k 0 1 for  x k 0 {\displaystyle {\begin{matrix}0&{\mbox{for }}x<k_{0}\\1&{\mbox{for }}x\geq k_{0}\end{matrix}}}
期待値 k 0 {\displaystyle k_{0}\,}
中央値 k 0 {\displaystyle k_{0}\,}
最頻値 k 0 {\displaystyle k_{0}\,}
分散 0 {\displaystyle 0\,}
歪度 未定義
尖度 未定義
エントロピー 0 {\displaystyle 0\,}
モーメント母関数 e k 0 t {\displaystyle e^{k_{0}t}\,}
特性関数 e i k 0 t {\displaystyle e^{ik_{0}t}\,}
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数学の分野における退化分布(たいかぶんぷ、: degenerate distribution)とは、ただ一つの値のみを取る確率変数確率分布のことを言う。

例としては、両側ともとなっているコインや、すべてのが同じになっているサイコロなどが考えられる。この分布は、日常生活の言葉の意味としてのランダムではない様に思われるが、確率変数の定義を満たすものである。

退化分布は、実数直線上のある一点 k0 に配置される。

その確率質量関数は次のように与えられる:

f ( k ; k 0 ) = { 1 , if  k = k 0 0 , if  k k 0 {\displaystyle f(k;k_{0})=\left\{{\begin{matrix}1,&{\mbox{if }}k=k_{0}\\0,&{\mbox{if }}k\neq k_{0}\end{matrix}}\right.}

また、退化分布の累積分布関数は次のように与えられる:

F ( k ; k 0 ) = { 1 , if  k k 0 0 , if  k < k 0 {\displaystyle F(k;k_{0})=\left\{{\begin{matrix}1,&{\mbox{if }}k\geq k_{0}\\0,&{\mbox{if }}k<k_{0}\end{matrix}}\right.}

一定の確率変数

確率論における一定の確率変数(constant random variable)とは、起こる事象に拘わらずある一定の定数値を取り続ける離散確率変数のことを言う。他の値を取ることもあるが、そのような事象が起こる確率がゼロであるようなほとんど確実に一定の確率変数(almost surely constant variable)とは、厳密な意味で異なる概念である。一定の、あるいは、ほとんど確実に一定の確率変数は、確率論的な枠組みにおいて定数を扱う際に有用となる。

X: Ω → R を、確率空間 (Ω, P) 上で定義される確率変数とする。このとき、Xほとんど確実に一定の確率変数であるとは、

Pr ( X = c ) = 1 {\displaystyle \Pr(X=c)=1}

であるような c R {\displaystyle c\in \mathbb {R} } が存在することを言う。また、X一定の確率変数であるとは、

X ( ω ) = c , ω Ω {\displaystyle X(\omega )=c,\quad \forall \omega \in \Omega }

であるような c R {\displaystyle c\in \mathbb {R} } が存在することを言う。

一定の確率変数は、ほとんど確実に一定の確率変数であるが、その逆は成立しないことに注意されたい。なぜならば、ほとんど確実に一定の確率変数 X に対しては、X(γ) ≠ c であるような γ ∈ Ω が存在することもあるからである(しかし、Pr({γ}) = 0 すなわち Pr(X ≠ c) = 0 が必ず成り立つ)。

実践的な場面では、X が一定であるかほとんど確実に一定であるかの違いは重要ではない。なぜならば、X確率質量関数 f(x) および累積分布関数 F(x) は、いずれの場合でも

f ( x ) = { 1 , x = c , 0 , x c {\displaystyle f(x)={\begin{cases}1,&x=c,\\0,&x\neq c\end{cases}}}

および

F ( x ) = { 1 , x c , 0 , x < c {\displaystyle F(x)={\begin{cases}1,&x\geq c,\\0,&x<c\end{cases}}}

となるからである。

関数 F(x) は階段関数、特にヘヴィサイドの階段関数平行移動である。

関連項目

離散単変量で
有限台
離散単変量で
無限台
  • ベータ負二項(英語版)
  • ボレル(英語版)
  • コンウェイ–マクスウェル–ポワソン(英語版)
  • 離散位相型(英語版)
  • ドラポルト(英語版)
  • 拡張負二項(英語版)
  • ガウス–クズミン
  • 幾何
  • 対数(英語版)
  • 負の二項
  • 放物フラクタル(英語版)
  • ポワソン
  • スケラム(英語版)
  • ユール–サイモン(英語版)
  • ゼータ(英語版)
連続単変量で
有界区間に台を持つ
  • 逆正弦(英語版)
  • ARGUS(英語版)
  • バルディング–ニコルス(英語版)
  • ベイツ(英語版)
  • ベータ
  • beta rectangular(英語版)
  • アーウィン–ホール(英語版)
  • クマラスワミー(英語版)
  • ロジット-正規(英語版)
  • 非中心ベータ(英語版)
  • raised cosine(英語版)
  • reciprocal(英語版)
  • 三角
  • U-quadratic(英語版)
  • 一様
  • ウィグナー半円
連続単変量で
半無限区間に台を持つ
  • ベニーニ(英語版)
  • ベンクタンダー第一種(英語版)
  • ベンクタンダー第二種(英語版)
  • 第2種ベータ
  • Burr(英語版)
  • カイ二乗
  • カイ(英語版)
  • Dagum(英語版)
  • デービス(英語版)
  • 指数-対数(英語版)
  • アーラン
  • 指数
  • F
  • folded normal(英語版)
  • Flory–Schulz(英語版)
  • フレシェ
  • ガンマ
  • gamma/Gompertz(英語版)
  • 一般逆ガウス(英語版)
  • Gompertz(英語版)
  • half-logistic(英語版)
  • half-normal(英語版)
  • Hotelling's T-squared(英語版)
  • 超アーラン(英語版)
  • 超指数(英語版)
  • hypoexponential(英語版)
  • 逆カイ二乗(英語版)
    • scaled inverse chi-squared(英語版)
  • 逆ガウス
  • 逆ガンマ
  • コルモゴロフ
  • レヴィ
  • 対数コーシー
  • 対数ラプラス(英語版)
  • 対数ロジスティック(英語版)
  • 対数正規
  • ロマックス(英語版)
  • 行列指数(英語版)
  • マクスウェル–ボルツマン
  • マクスウェル–ユットナー(英語版)
  • ミッタク-レフラー(英語版)
  • 仲上(英語版)
  • 非心カイ二乗
  • パレート
  • 位相型(英語版)
  • poly-Weibull(英語版)
  • レイリー
  • relativistic Breit–Wigner(英語版)
  • ライス(英語版)
  • shifted Gompertz(英語版)
  • 切断正規
  • タイプ2ガンベル(英語版)
  • ワイブル
    • 離散ワイブル(英語版)
  • ウィルクスのラムダ(英語版)
連続単変量で
実数直線全体に台を持つ
連続単変量で
タイプの変わる台を持つ
  • 一般極値
  • 一般パレート(英語版)
  • マルチェンコ–パストゥール(英語版)
  • q-指数(英語版)
  • q-ガウス
  • q-ワイブル(英語版)
  • shifted log-logistic(英語版)
  • トゥーキーのラムダ(英語版)
混連続-離散単変量
  • rectified Gaussian(英語版)
多変量 (結合)
【離散】
エウェンズ(英語版)
多項
ディリクレ多項(英語版)
負多項(英語版)
【連続】
ディリクレ
一般ディリクレ(英語版)
多変量正規
多変量安定(英語版)
多変量 t(英語版)
正規逆ガンマ(英語版)
正規ガンマ(英語版)
行列値
逆行列ガンマ(英語版)
逆ウィッシャート(英語版)
行列正規(英語版)
行列 t(英語版)
行列ガンマ(英語版)
正規逆ウィッシャート(英語版)
正規ウィッシャート(英語版)
ウィッシャート
方向
【単変量 (円周) 方向
円周一様(英語版)
単変数フォン・ミーゼス
wrapped 正規(英語版)
wrapped コーシー(英語版)
wrapped 指数(英語版)
wrapped 非対称ラプラス(英語版)
wrapped レヴィ(英語版)
【二変量 (球面)】
ケント(英語版)
【二変量 (トロイダル)】
二変数フォン・ミーゼス(英語版)
【多変量】
フォン・ミーゼス–フィッシャー(英語版)
ビンガム(英語版)
退化と特異
  • 円周(英語版)
  • 混合ポワソン(英語版)
  • 楕円(英語版)
  • 指数
  • 自然指数(英語版)
  • 位置尺度(英語版)
  • 最大エントロピー(英語版)
  • 混合(英語版)
  • ピアソン(英語版)
  • トウィーディ(英語版)
  • wrapped(英語版)
サンプリング法(英語版)
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