箱根国道

一般国道
国道1号標識
箱根国道
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路

箱根国道 (はこねこくどう)とは、神奈川県小田原市板橋から足柄下郡箱根町元箱根間の道路となる、現在の国道1号東海道である。ここでは、神奈川県が管理を行っている国道1号直轄外の区間などについても併記する。

概要

箱根国道としての区間は次のとおり。

神奈川県管理の区間は次のとおり。

  • 起点:神奈川県小田原市風祭(箱根口IC
  • 終点:神奈川県足柄下郡箱根町箱根(箱根峠IC

歴史

近代の道路として国道1号東海道の箱根付近での前身となる道路は、1875年明治8年)に小田原宿上方見附から湯本までを地元住民らの私費により、野澤太七・辻村甚助・今井喜重・福住正兄らの下で建設された[1]日本初有料道路となる人力車道を開設したこと[2]である。

年表

  • 1875年明治8年)5月19日:板橋 - 湯本間に、地元有志の私費で建設した有料の人力車道が開通[1]
  • 1887年(明治20年):塔ノ沢 - 宮ノ下間に、富士屋ホテルが私費で建設した有料の人力車道が開通[3]
  • 1904年(明治37年):小涌谷 - 芦之湯間の完成により、宮ノ下経由の板橋 - 元箱根間に道路がつながる[2]
  • 1923年大正12年)9月1日関東大震災により、壊滅的な状況となる[4]
  • 1925年(大正14年)7月1日:関東大震災による復旧工事にて、箱根国道が開通する[4]
  • 1931年昭和6年)11月26日北伊豆地震により、再び壊滅的な状況となる[5]
  • 1952年(昭和27年)12月4日:新道路法に基づく「路線指定」で、東京都中央区 - 大阪府大阪市北区間の「一級国道1号」として指定される。
  • 1965年(昭和40年)4月1日:道路法改正によって一級・二級の別がなくなり「一般国道1号」となる。

道路状況

函嶺洞門(2009年9月20日)
函嶺洞門バイパス
(2015年2月11日)
旭橋(2009年9月20日)
千歳橋(2009年9月20日)

重複区間

道路施設

函嶺洞門・旭橋・千歳橋は、2005年に土木学会選奨土木遺産として指定され、2015年に国の重要文化財に指定された。

函嶺洞門・函嶺洞門バイパス

函嶺洞門1930年(昭和5年)4月に工事を着手、1931年(昭和6年)10月に完成した当時では珍しい片側が開口した鉄筋コンクリート構造6連のロックシェッドであり[6]、中国の王宮をイメージした造りとなっている[7]。1931年11月26日に発生した北伊豆地震による落石により一部損壊するが、大きな被害は免れる[7][8]。なお、函嶺洞門が出来るまでの経路は、間際を流れる早川の対岸へ迂回している道路であった[6]。なお、「函嶺」とは「箱根」の異名である。

函嶺洞門は築造から80年以上が経過し車道幅員も5.8mと狭いことから、神奈川県は2007年(平成19年)から早川に「函嶺もみじ橋(小田原側)」・「函嶺さくら橋(芦ノ湖側)」と命名された橋の建設を含めたバイパス工事に着手。2014年にこれが完成したことから、2014年2月7日をもって函嶺洞門は供用を終了、通行禁止となるとともに函嶺洞門バイパスへと交通を切り替えられた[9]。なお、このコースは東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)のコースでもあり、第91回大会(2015年)から函嶺洞門バイパスにコースが変更となった[10]

旭橋・千歳橋

1933年(昭和8年)に完成した、鉄筋コンクリート構造の下路式タイドアーチ橋で早川を跨いでおり、旭橋は洋、千歳橋は和をイメージしている。なお、旭橋は鉄筋コンクリート構造のタイドアーチ橋としては国内最大の長さであり、斜めになった構造としても珍しいものである[7]

道の駅箱根峠

詳細は「道の駅箱根峠」を参照

地理

通過する自治体

交差する道路

神奈川県小田原市早川口交差点から静岡県田方郡函南町箱根峠までを記載

  • インターチェンジ =「IC」
接続路線名 接続場所 日本橋
から
(km)
山崎IC
から
(km)
国道1号平塚横浜方面)
国道135号神奈川県道73号小田原停車場線 神奈川県 小田原市 早川口交差点 85.2 -
国道271号 / 小田原厚木道路 86.9
国道1号 / 西湘バイパス小田原箱根道路 箱根口IC / 風祭交差点 87.4
国道1号 / 小田原箱根道路・箱根新道 足柄下郡
箱根町
山崎IC 89.1 0.0
神奈川県道732号湯本元箱根線 三枚橋交差点 - 0.5
国道138号 宮ノ下交差点 7.2
神奈川県道732号湯本元箱根線 9.0
神奈川県道734号大涌谷小涌谷線 9.7
神奈川県道75号湯河原箱根仙石原線 大芝交差点 16.1
神奈川県道732号湯本元箱根線 畑宿入口交差点 16.3
元箱根交差点 17.0
神奈川県道75号湯河原箱根仙石原線 箱根関所南交差点 18.7
神奈川県道737号長尾芦川線 18.9
国道1号 / 箱根新道 箱根峠IC 102.3 20.5
芦ノ湖スカイライン 箱根峠交差点 102.7 -
静岡県道20号熱海箱根峠線 静岡県 田方郡
函南町
国道1号(沼津静岡方面)

周辺

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 参考文献『足柄県管下相模国板橋村ヨリ湯本村ニ到ル道路ヲ修築シ且新道ヲ設開ス』
  2. ^ a b 箱根町案内板、外部リンク「国道一号線(こくどういちごうせん)(近代(きんだい))」
  3. ^ 外部リンク「ホテルヒストリー」
  4. ^ a b 参考文献『彙報、箱根國道開通式』
  5. ^ 参考文献『伊豆大地震続報、全滅に近かつた箱根国道』
  6. ^ a b 参考文献『国道一号線足柄下郡湯本町地内に築造せる開腹隧道に就て』
  7. ^ a b c 外部リンク「箱根地区国道1号の橋梁・洞門(旭橋、千歳橋、函嶺洞門)」
  8. ^ 参考文献『箱根塔ノ澤の開腹隧道工事』
  9. ^ “国道1号 函嶺洞門バイパスに交通を切り回します”. 神奈川県. 2014年7月28日閲覧。
  10. ^ “東京箱根間往復大学駅伝競走における競走路一部変更に伴う記録の取り扱いについて”. 関東学生陸上競技連盟. 2014年7月28日閲覧。

参考文献

  • 太政類典・外編『足柄県管下相模国板橋村ヨリ湯本村ニ到ル道路ヲ修築シ且新道ヲ設開ス』、1875年(明治8年)5月19日
  • 内務省道路改良会発行『道路の改良』、1920年(大正9年)-1944年(昭和19年)
    • 第7巻第8号(P113-118)『彙報、箱根國道開通式』、1925年(大正14年)8月
  • 工事画報社発行『土木建築工事画報』、1925年(大正14年)-1940年(昭和15年)
    • 第7巻第4号(P38-39)『箱根塔ノ澤の開腹隧道工事』、1931年(昭和6年)4月
    • 第7巻第4号(P40-41)『伊豆大地震続報、全滅に近かつた箱根国道』、1931年(昭和6年)4月
    • 第8巻第5号(P40-45)田邊 良忠著『国道一号線足柄下郡湯本町地内に築造せる開腹隧道に就て』、1932年(昭和7年)5月

関連項目

ポータル 道路
ポータル 道路
プロジェクト 道路

外部リンク

  • 神奈川県 / 県土整備局
  • 箱根町(国道一号線(こくどういちごうせん)(近代(きんだい)))
  • 国立公文書館(デジタルアーカイブ)
  • 社団法人土木学会 / 関東支部(箱根地区国道1号の橋梁・洞門(旭橋、千歳橋、函嶺洞門))
  • 社団法人土木学会附属土木図書館(デジタルアーカイブス)
  • 富士屋ホテルチェーン(ホテルヒストリー)

響橋鶴見川橋・江ケ崎跨線橋・万代橋・瑞穂橋梁・西鶴屋橋・霞橋・横浜ベイブリッジ打越橋・フランス橋ポーリン橋

弁天橋・霧笛橋・西之橋万国橋大岡橋梁浦舟水道橋・吉野橋・大貫谷戸水路橋・夕照橋・称名寺平橋・反橋

金沢八景大橋・鴨池橋・昇竜橋・大師橋・新大扇橋・六郷橋丸子橋ガス橋二子橋多摩水道橋

小泉橋・夫婦橋・天神橋湘南大橋馬入橋・下花水橋・花水川橋・太鼓橋・夷堂橋・歌之橋・弁天橋

江の島大橋・江の島弁天橋・遊行寺橋・米神橋・白糸橋・片浦橋・住吉橋・無名の石橋・白糸川橋梁・ふれあいばし・富士見橋

東郷橋・高田橋・新昭和橋・相模川水路橋城ヶ島大橋・まほろば大橋・森のかけはし・相模大橋・才戸橋・戸沢橋

平成橋・深見歩道橋・加寿美橋・芹沢陸橋・圓通橋・御供橋・岩流瀬橋・新武者寄橋・みそぎ橋・本郷橋・足柄大橋

文久橋・大寺橋・新十文字橋・永歳橋東名酒匂川橋・松ケ山橋・東名皆瀬川橋・世附大橋・出山の鉄橋・旭橋

芦川橋・八千代橋・岩大橋・権現橋・平山橋・日向橋虹の大橋宮ケ瀬大橋・小倉橋・三井大橋

名手橋・青野原大橋・桂橋・相模湖大橋・嵐山橋・弁天橋・弁天橋・勝瀬橋日連大橋・亀見橋