函数解析学と関連する数学の分野において、あるベクトル空間の与えられた部分集合の極集合(きょくしゅうごう、英: polar set)とは、その双対空間の中のある集合のことを言う。
双対組
が与えられたとき、
のある部分集合
の極集合あるいは極とは、次で定義される
内の集合
のことを言う。
![{\displaystyle A^{\circ }:=\{y\in Y:\sup _{x\in A}|\langle x,y\rangle |\leq 1\}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/020f857c8a8adc129561053553bb81275a17cd14)
の部分集合
の双極(bipolar)とは、
の極集合のことを言う。それは
と表記される
内の集合である。
性質
は絶対凸である。
ならば
である。 - したがって
である。ここで集合の等号は必ずしも成立しない。
- すべての
に対して、次が成り立つ:![{\displaystyle (\gamma A)^{\circ }={\frac {1}{\mid \gamma \mid }}A^{\circ }}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/e96df2251158ae9860fbea16747c79c7ff6d547d)
![{\displaystyle (\bigcup _{i\in I}A_{i})^{\circ }=\bigcap _{i\in I}A_{i}^{\circ }}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/673aa5dadcba47f8c390af36cd9c4d84ce7ba3a7)
- 双対組
に対し、
は
上の弱*位相(英語版)の下で
において閉である。 - ある集合
の双極
は、
の絶対凸包絡集合である。すなわち、
を含む最小の絶対凸集合である。
がすでに絶対凸であるなら、
が成り立つ。
内の閉凸錐
に対し、極錐 は
に対する片側極集合と同値で、次で与えられる。
.[1]
幾何学
幾何学において、極集合は点と平面の間の双対性を意味することもある。特に、ある点
の極集合は、
を満たす点
の集合で与えられ、それは極超平面(polar hyperplane)であり、超平面に対する双対関係はその極を与える。
関連項目
参考文献
- ^ Aliprantis, C.D.; Border, K.C. (2007). Infinite Dimensional Analysis: A Hitchhiker's Guide (3 ed.). Springer. p. 215. doi:10.1007/3-540-29587-9. ISBN 978-3-540-32696-0
ポテンシャル論における極集合に関する文献: Ransford, Thomas: Potential Theory in the Complex Plane, London Mathematical Society Student Texts 28, CUP, 1995, pp. 55-58.