栗駒山

栗駒山
北北西からの須川岳。栗駒山の主峰である。
名残ヶ原から撮影。
標高 1,626[1][注釈 1] m
所在地 日本の旗 日本
位置 北緯38度57分39秒 東経140度47分18秒 / 北緯38.96083度 東経140.78833度 / 38.96083; 140.78833座標: 北緯38度57分39秒 東経140度47分18秒 / 北緯38.96083度 東経140.78833度 / 38.96083; 140.78833
山系 奥羽山脈
種類 成層火山 (活火山ランクB)
最新噴火 1944年11月20日(昭和湖)
栗駒山の位置(日本内)
栗駒山
栗駒山 (日本)
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栗駒山の位置(岩手県内)
栗駒山
栗駒山 (岩手県)
岩手県の地図を表示
栗駒山の位置(宮城県内)
栗駒山
栗駒山 (宮城県)
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栗駒山の位置(秋田県内)
栗駒山
栗駒山 (秋田県)
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プロジェクト 山
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栗駒山(くりこまやま)は、山体が宮城県秋田県岩手県の三県にまたがるである。標高1,626 m[1]。山頂部は宮城県と岩手県の境界になっている。奥羽山脈に属し、焼石岳神室山とともに栗駒国定公園や栗駒山・栃ヶ森周辺森林生態系保護地域として指定されている。二百名山花の百名山の一つ。

概要

山名の由来は、初夏の山頂西側に馬の雪形が現れることから。別名を須川岳(すかわだけ)・酢川岳(すがわだけ)・大日岳(だいにちだけ)・駒ヶ岳(こまがたけ)などとも呼ばれる。

栗駒火山の火山体地形図

栗駒山は、安山岩デイサイトを主な岩質とする成層火山であり、活火山に指定されている。約80万年前以降に活動を開始し、最新噴火は1944年11月20日で、小規模な水蒸気噴火を起こし昭和湖を形成した[注釈 2]。それ以前の有史の記録では江戸時代の1744年2月3日の噴火がある。山頂の北側にある約11万年前に形成された平坦な溶岩ドームの剣岳では、噴気活動が盛んで東斜面で樹木の枯死が生じている。

山頂の北側には北西方向に開口する、直径およそ2.2 kmの馬蹄形のカルデラがあり[2]、その延長上に延びる岩屑なだれによる斜面がみられる[2]。岩屑なだれは東西2.5 km、南北4 kmの範囲に分布している[3]

山頂への登山コースが9本ある[4]。最短は南東斜面の「いわかがみ平」から登る中央コースで[4]。距離にして約3 km、所要時間は約2時間[4]。山頂部は高木がなく眺めが良い。日本百名山を著した深田久弥は、その後書きの中で、「東北では秋田駒ヶ岳と栗駒山を百名山にいれるべきであったかもしれない」と述懐している[4]

栗駒山の紅葉は「神の絨毯」[5][4]と称される。秋分のころ山頂から始まり、10月上旬にかけて次第に麓に降りてくる。

2008年の岩手・宮城内陸地震により、山体南東麓で大規模な地すべり(荒砥沢地すべり)が発生した。宮城県側の周辺には須川、駒ノ湯、温湯、湯ノ倉、湯浜等の温泉が点在するが、地震による影響で休業や廃業に追い込まれる被害を受けた。また、登山道も地震の影響を受けており、裏掛(新湯)コースなど崩落のため通行禁止となっている箇所もある。

火山噴火予知連絡会によって火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山に選定されている[6]

画像解説

  • 須川湖と須川岳
    須川湖と須川岳
  • 名残ヶ原
    名残ヶ原
  • 昭和湖と剣岳溶岩ドーム
    昭和湖と剣岳溶岩ドーム
  • 昭和湖畔から秣岳(まぐさだけ)
    昭和湖畔から秣岳(まぐさだけ)
  • 秣岳から見た栗駒山と須川岳
    秣岳から見た栗駒山と須川岳
  • 山頂標
    山頂標
  • 山頂にある駒形根神社の嶽宮
    山頂にある駒形根神社の嶽宮
  • 山頂部から南南西を望む
    山頂部から南南西を望む
  • 栗駒山荘付近からの紅葉の景色
    栗駒山荘付近からの紅葉の景色
栗駒山から北を望む。おおよそ馬蹄型カルデラ地形に相当する部分。中央に剣岳。中央左に須川湖。左下に竜泉ヶ原。右端下に昭和湖。岩頭から撮影。

昭和湖

昭和湖(2018年10月)
昭和湖
所在地 岩手県一関市
位置 北緯38度58分01.5秒 東経140度46分45.5秒 / 北緯38.967083度 東経140.779306度 / 38.967083; 140.779306
水面の標高 1,280 m
成因 火口湖
プロジェクト 地形
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昭和湖(しょうわこ)は、岩手県一関市にあり、栗駒山の山頂から北西方向の山腹、八合目付近に位置する火口湖である。1944年(昭和19年)に起きた水蒸気爆発でできた。ただしここは元から火口があった場所である[7]。エメラルドグリーンの強酸性の水をたたえている。周辺は7月上旬から高山植物が咲き乱れる。須川高原温泉からの登山道の中間点にあり、登山者の休憩地として親しまれている。

2016年に設置された栗駒山火山防災協議会が策定したハザードマップでは、噴火口を昭和湖一帯に想定している[8]

須川湖

須川湖[9]
須川湖
所在地 秋田県東成瀬村
位置 北緯38度58分42秒 東経140度45分11秒 / 北緯38.97833度 東経140.75306度 / 38.97833; 140.75306
面積 0.08 km2
周囲長 2.1 km
平均水深 16 m
水面の標高 1,030 m
成因 火山湖
淡水・汽水 淡水
湖沼型 酸栄養湖
透明度 4.0 m
プロジェクト 地形
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須川湖(すかわこ)は、秋田県東成瀬村にある、南北に長い周囲2 km余りの湖。栗駒山の山頂から北西の中腹にある。水は澄んでいるが、酸性が強いため魚はいない。貸しボート、キャンプ場・周囲を巡る遊歩道が整備されている。新緑・紅葉の季節には美しい光景が広がる。須川高原温泉から秋田県側へ国道342号秋田県道282号仁郷大湯線(栗駒道路)経由、車で5分(約1 km)。

三角点

一等三角点 中心緯度経度: 北緯38°961211 東経140°789495 標高1,626.5 m[10]

アクセス

いずれも、冬季閉鎖区間あり

秋田県側

  • 国道342号で横手市十文字町(国道13号交点)から須川温泉に至る
  • 国道398号 - 秋田県道282号仁郷大湯線で湯沢市(湯沢インターチェンジ・国道13号交点)から須川温泉に至る
    • 秋田県側から登山口へ直接向かう路線バスの設定はなく、羽後交通『湯沢・小安線』の終点「鳥谷」停留所から秣岳登山口まで約14 km、湯浜コース入口まで約16 km離れている

岩手県側

  • 国道342号で一関市中心部・一関インターチェンジから須川温泉に至る(このルートは一部狭隘路)
    • 岩手県交通により、『[12]須川温泉線』が季節運行(概ね5月上旬から11月上旬までの運行)で設定されており、終点「須川温泉」停留所が登山口付近に設置されている

宮城県側

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ GNSS測量等の点検・補正調査による2014年4月1日の国土地理院『日本の山岳標高一覧-1003山-』における改定値。なお、旧版での標高は1,627 m
  2. ^ 昭和湖は以前から火口であった場所での噴火で形成されたもの

出典

  1. ^ a b “標高値を改定する山岳一覧 資料2”. 国土地理院. https://www.gsi.go.jp/common/000091073.pdf 2014年3月26日閲覧。 
  2. ^ a b “1:25,000火山土地条件図解説書”. 国土地理院. 2018年11月22日閲覧。
  3. ^ 藤縄明彦、藤田浩司、高橋美保子 ほか「栗駒火山の形成史」『火山』第46巻第5号、2001年、269-284頁、doi:10.18940/kazan.46.5_269。 
  4. ^ a b c d e “栗駒山”. 栗原市観光物産協会. 2018年11月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月22日閲覧。
  5. ^ “紅葉時期の栗駒山”. 栗原市観光物産協会. 2021年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月28日閲覧。
  6. ^ “火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山”. 気象庁. 2016年2月25日閲覧。
  7. ^ “日本の火山 栗駒山”. 産業技術総合研究所 地質調査総合センター. 2018年11月22日閲覧。
  8. ^ “「噴火警戒レベル」5月から運用 監視続く栗駒山の現状は”. 毎日新聞 (2019年11月12日). 2019年11月12日閲覧。
  9. ^ 国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成(1976年度撮影)
  10. ^ “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2022年2月9日閲覧。

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、栗駒山に関連するカテゴリがあります。
  • 栗駒山 - 気象庁
  • 栗駒山の火山観測データ 気象庁
    • 栗駒山の臨時及び過去の詳細月別火山概況・火山活動解説資料 気象庁
    • 栗駒山の最近(2ヶ月間)の日別地震回数表 気象庁
  • 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版 栗駒山 (PDF) - 気象庁
  • 日本の火山 栗駒山 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
  • 栗駒山の登山情報 - 栗原市観光物産協会
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