廃寺

廃寺(はいじ)は、仏教関連用語の一つ。本義としては「廃止された仏教寺院」を指す語であるが、他宗教施設についても用いられることがある。考古学では「〇〇廃寺」のように寺院跡の遺跡を示す呼称として用いられる。

概説

廃寺とは「廃止された仏教寺院」のことである。政策や社会情勢を理由とした廃止(例:廃仏毀釈文化大革命による宗教弾圧)、経済的事情による廃止、天災人災戦争などによって施設が破壊されたのちの、再建が叶わなかったことによる結果的な廃止(廃墟化)、信者や地域住民といった担い手を失ったことによる廃墟化・遺跡化(例:ガンダーラ地方の寺院遺跡。13世紀モンゴル軍による戦禍)など、廃止される事由はさまざまである。ただし、ここに示したものは後者であればあるほど、それらは「廃墟」であり、「遺跡」であって、「廃寺」と表現されることは少なくなる。

また、道教インドの諸宗教、ゾロアスター教ユダヤ教キリスト教イスラム教等々、仏教以外の宗教施設を「寺院」と呼ぶことがあり(cf. 寺院#仏教以外の宗教の寺院)、キリスト教など一部宗教では修行者(修道者)を「修道僧」「僧」「尼僧」などと呼ぶことがあるのと同じく、適当な漢訳語が無いことから、廃止された、または、廃墟化・遺跡化したそのような宗教施設を、漢字文化圏で「廃寺」と呼ぶことも珍しくない。

歴史上の廃寺

ここでは、著名な廃寺を始め、特筆すべき廃寺について記す。

日本
  • 現・恵日寺(慧日寺跡):福島県磐梯町磐梯。807年(大同2年)に徳一大師によって開かれるが徐々に荒廃して廃寺。明治時代に「恵日寺」として再興され、廃寺の遺構は「慧日寺跡」として国の史跡に指定されている。
  • 明科廃寺長野県安曇野市明科中川手。7世紀末から8世紀初頭(白鳳時代)の創建。
  • 現・片山廃寺跡 :静岡県静岡市駿河区大谷。8世紀後期の創建。10世紀前期に廃絶。
  • 日吉廃寺跡:静岡県沼津市に位置する古代寺院跡の遺跡、所在地は、同市大岡日吉長者町・伝馬町・富士見町。沼津市の市指定文化財に指定されている。
  • 大山峰 正福寺(通称・大山寺) :現・大山廃寺跡(愛知県小牧市大山)。7世紀後期の創建。15世紀半ばに廃絶。
  • 衣川廃寺() :滋賀県大津市衣川。
  • 中川寺 :現・中川寺跡(奈良県奈良市中ノ川)。実範により創立され、南都における鎌倉時代の戒律復興の中核であった寺。
  • 現・吉備池廃寺跡 :所在地は奈良県桜井市吉備。7世紀前期の創建説(百済大寺説)あるも不明。廃絶時期も不明。
  • 山田寺 :7世紀半ばの創建。鎌倉時代までは寺院として機能していたようである。仏頭(国宝)が興福寺に伝わり、また1982年に東回廊が発掘され、重要文化財となった。現在は明日香村の岡寺の末寺となって(大化山 山田寺)として再興された。所在地は奈良県桜井市山田。国の特別史跡に指定されている。
  • 粟原寺(おうばらでら):奈良県桜井市粟原にかつてあった寺。談山神社が所蔵する『粟原寺三重塔伏鉢』(国宝)に刻まれた銘文によって、寺の由緒がはっきりとしている(伏鉢とは、仏塔の上部にある相輪の一部)。国の史跡に指定されている。
  • 現・上淀廃寺跡 :鳥取県米子市淀江町(cf.)。7世紀後期の創建。11世紀前期に焼失し、廃絶。
日本以外の仏教圏
仏教圏以外

関連項目

外部リンク

  • 鎌倉の廃寺を語る-『有鄰』第474号 平成19年5月10日  
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