ロレートの聖母 (カラヴァッジョの絵画)

『ロレートの聖母』
イタリア語: Madonna dei Pellegrini
作者カラヴァッジョ
製作年1604年 - 1606年頃
種類カンヴァスに油彩
寸法260 cm × 150 cm (100 in × 59 in)
所蔵サンタゴスティーノ教会、ローマ

ロレートの聖母』(ロレートのせいぼ(: Madonna dei Pellegrini)は、バロック期のイタリア人画家カラヴァッジョが描いた絵画ローマナヴォーナ広場近くにあるサンタゴスティーノ教会 (en:Basilica of Sant' Agostino, Rome) カヴァレッティ礼拝堂に所蔵されている。二人の巡礼中の農夫の前に裸足の聖母マリアと裸の幼児キリストの幻影が現れた情景を描いており、肖像における聖母マリアの象徴性を高めた作品ともいわれている。

概要

1603年にエルメーテ・カヴァレッティの遺産相続人の一人が、一族の礼拝堂の装飾用に聖母マリアをモチーフとした絵画制作を依頼して描かれた。当時のカラヴァッジョの競争相手で、現在では才能的には劣っているとされている画家ジョヴァンニ・バリオーネ (en:Giovanni Baglione) は、この作品が不敬で聖母子を中傷しているというして裁判を起こし、この作品が公開されると「大衆の嘲笑の的となり大騒ぎを巻き起こすことは間違いない」という理由で、カラヴァッジョを投獄することに成功している。ただし、騒ぎになることは容易に予測できたといえる。聖母マリアは自身を崇敬する巡礼者と同じく裸足で描かれている。聖母子の背景にはその地位に相応しい高貴な雲も天使たちも存在せず、古ぼけて崩れかけのレンガ壁が見えるだけで、マリアとキリストを辛うじて聖なる存在としているのは頭上の円光のみである。その一方で夜の暗闇から現れたマリアはこの上なく整った容姿で描かれている。

『聖アンナと聖母子』 1605–1606年 ボルゲーゼ美術館

参考文献

  • Hibbard, Howard (1983). Caravaggio. Harper & Row 

脚注

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典拠管理データベース: 国立図書館 ウィキデータを編集
  • ドイツ
1600年以前の作品
  • 病めるバッカス』(1593年頃)
  • 果物籠を持つ少年』(1593年頃)
  • トランプ詐欺師』(1594年頃)
  • 『悔悛するマグダラのマリア』(1594年–1595年頃)
  • 『奏楽者たち』(1595年頃)
  • トカゲに噛まれた少年』(1594年–1596年頃)
  • 『バッカス』(1596年頃)
  • ユピテル、ネプトゥヌスとプルート』(1597年頃)
  • 『メドゥーサの首』(1597年-1598年頃)
  • 『アレクサンドリアの聖カタリナ』(1598年頃)
  • 『マルタとマグダラのマリア』(1598年頃)
  • 『ホロフェルネスの首を斬るユーディット』(1598年-1599年頃)
  • 『ダヴィデとゴリアテ』(1599年頃)
1600年-1606年の作品
  • 聖マタイの召命』(1599年-1600年)
  • 『エマオの晩餐(ロンドン)』(1601年)
  • 愛の勝利』(1601年–1602年)
  • 『聖トマスの不信』(1601年–1602年)
  • 『キリストの捕縛』(1602年頃)
  • 『祈る聖フランチェスコ』(1602年-1604年頃)
  • 『キリストの埋葬』(1603年–1604年)
  • 『聖母の死』(1604年-1606年頃)
  • 『ロレートの聖母』(1604年-1606年頃)
  • 『聖アンナと聖母子』(1605年–1606年)
  • 書斎の聖ヒエロニムス』(1605年–1606年頃)
  • 『エマオの晩餐(ミラノ)』(1606年)
  • 『キリストの荊冠』(1604年あるいは1607年)
1607年以降の作品
  • 『ロザリオの聖母』(1606年–1607年頃)
  • 『キリストの鞭打ち』(1607年)
  • 『慈悲の七つの行い』(1607年)
  • 『聖アンデレの磔刑』(1607年)
  • アロフ・ド・ヴィニャクールと小姓の肖像』(1607年–1608年)
  • 『洗礼者聖ヨハネの斬首』(1608年)
  • 『眠るアモール』(1608年)
  • 『ラザロの復活』(1609年頃)


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