ヨシタケシンスケ

曖昧さ回避 キュウソネコカミのメンバー「ヨコタシンノスケ」とは異なります。

ヨシタケ シンスケ(吉竹 伸介、1973年6月17日[1] - )は、日本イラストレーター絵本作家神奈川県茅ヶ崎市生まれ。イラストレーターとして児童書の挿絵、装画、広告美術など多岐にわたる分野で活動しているほか、日常のひとこまをコミカルに切り取ったスケッチ集『しかもフタが無い』『そのうちプラン』などの著書を著している[2]

茅ヶ崎市立浜須賀小学校茅ヶ崎市立浜須賀中学校神奈川県立茅ヶ崎北陵高等学校筑波大学芸術専門学群卒業[3]筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修士課程修了[4]

経歴

1998年に大学の仲間たちとともに共同アトリエ「スタジオビッグアート」を結成。2007年に「パンタグラフ」と改称し、立体造形を得意とするクリエイティブユニットとして幅広い分野で活動する。活動拠点は横浜市神奈川区に置く。2013年、初のオリジナル絵本作品『りんごかもしれない』を刊行。「りんご」をめぐる様々なアイディアが展開する、筋立てのない絵本で、以後『ぼくのニセモノをつくるには』『このあとどうしちゃおう』と続くこのシリーズは「発想絵本」と呼ばれている[5]。『りんごかもしれない』はMOE絵本屋さん大賞第1位を獲得、第61回産経児童出版文化賞美術賞を受賞[2]。『ぼくのニセモノをつくるには』は第2回長野県本屋大賞CONTEMPORARY部門を受賞[6]

2015年には「発想絵本」を中心とした創作活動に対して第8回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞が贈られている[7]。また同年出版の絵本『もうぬげない』はツイッターなどのSNSで話題となった[8]、同書で2016年、第26回けんぶち絵本の里大賞を受賞。『おしっこちょっぴりもれたろう』で第29回けんぶち絵本の里大賞を受賞。2児の父。

2022年6月時点で、出版した絵本の累計発行部数は約600万部に達し、10か国以上での翻訳出版もされている[9]

作風と特徴

ヨシタケ自身は線画を描くのみで着色はほとんどデザイナーに任せている[10]。抽象画は一切描くことができないと本人は言っている[10]

影響

影響を受けた人物にヘンリー・ダーガーを挙げている[11]。マンガでは、いしいひさいち『ドーナツブックス』、いがらしみきおぼのぼの』、榎本俊二GOLDEN LUCKY』、松本大洋『ピンポン』、高野文子るきさん』などからの影響を語っている[12]

著書

イラスト集・スケッチ集

  • しかもフタが無い(PARCO出版、2003年9月)ISBN 9784891946630
  • やっぱり今日でした(ソニーマガジンズ、2004年11月)ISBN 9784789724098
  • じゃあ君が好き(主婦と生活社、2005年9月/新装版2016年6月)ISBN 9784391131314(2005年9月)/ISBN 9784391149128(2016年6月)
  • ブラック会社限界対策委員会(パルコ、2009年11月)ISBN 9784891948122
  • そのうちプラン(遊タイム出版、2011年8月)ISBN 9784860103019
  • 結局できずじまい(講談社、2013年1月)ISBN 9784062181815
  • せまいぞドキドキ(講談社、2013年1月)ISBN 9784062181822
  • デリカシー体操(グラフィック社、2016年3月)ISBN 9784766128994

絵本

  • 子ども・大人(野上暁ひこ・田中文、大月書店、2009年10月)ISBN 9784272406661
  • レッツとネコさん(ひこ・田中文、そうえん社、2010年7月)ISBN 9784882644729
  • レッツのふみだい(ひこ・田中文、そうえん社、2010年10月)ISBN 9784882644743
  • レッツがおつかい(ひこ・田中文、そうえん社、2011年1月)ISBN 9784062210669
  • りんごかもしれない(ブロンズ新社、2013年4月)ISBN 9784893095626
  • ぼくのニセモノをつくるには(ブロンズ新社、2014年9月)ISBN 9784893095916
  • りゆうがあります(PHP研究所、2015年3月)ISBN 9784569784601
  • 本屋さんで探す「明日のカルタ」(倉本美津留文、主婦の友社、2015年7月)ISBN 9784072990391
  • ふまんがあります(PHP研究所、2015年9月)ISBN 9784569785028
  • もうぬげない(ブロンズ新社、2015年10月)ISBN 9784893096098
  • このあとどうしちゃおう(ブロンズ新社、2016年4月)ISBN 9784893096173
  • ハルとカナ(ひこ・田中文、講談社、2016年8月)ISBN 9784062200998
  • ことわざ生活あっち篇(あかいわしゅうご文、草思社、2016年11月)ISBN 9784794222411
  • なつみはなんにでもなれる(PHP研究所、2016年12月)ISBN 9784569786063
  • つまんない つまんない(白泉社、2017年5月)ISBN 9784592762102
  • こねてのばして(ブロンズ新社、2017年10月)ISBN 9784893096371
  • おしっこちょっぴりもれたろう(PHP研究所、2018年6月)ISBN 9784569787787
  • みえるとかみえないとか(伊藤亜紗相談、アリス館、2018年7月)ISBN 9784752008422
  • それしか ないわけ ないでしょう(白泉社、2018年11月)ISBN 9784592762379
  • ころべばいいのに(ブロンズ新社、2019年6月)ISBN 9784893096609
  • わたしのわごむはわたさない(PHP研究所、2019年11月)ISBN 9784569789002
  • なんだろうなんだろう(光村図書出版、2019年12月)ISBN 9784813802648
  • もしものせかい(赤ちゃんとママ社、2020年1月)ISBN 9784870141469
  • ねぐせのしくみ(ブロンズ新社、2020年7月)ISBN 9784893096753
  • あつかったら ぬげばいい(白泉社、2020年8月)ISBN 9784592762744
  • にげてさがして(赤ちゃんとママ社、2021年2月)ISBN 978-4870141537
  • あきらがあけてあげるから(PHP研究所、2021年4月)ISBN 978-4569789934
  • あんなに あんなに(ポプラ社、2021年6月)ISBN 978-4591169827
  • かもしれないボックス(ブロンズ新社、2021年10月)ISBN 9784893096975
  • どうしちゃおうボックス(ブロンズ新社、2021年10月)ISBN 9784893096982
  • かみはこんなにくちゃくちゃだけど(白泉社、2022年4月)ISBN 9784592763000
  • ぼくはいったい どこにいるんだ(ブロンズ新社、2023年3月25日)
  • メメンとモリ(KADOGAWA、2023年5月31日)
  • もりあがれ!タイダーン ヨシタケシンスケ対談集(白泉社、2023年7月8日)

書籍

  • 世界を平和にするためのささやかな提案(黒柳徹子ら21人との共著、河出書房新社、2015年5月)ISBN 9784309616940 - 「おもしろいことを考える」の章を寄稿
  • ヨチヨチ父 とまどう日々(赤ちゃんとママ社、2017年4月)ISBN 9784870141261
  • あるかしら書店(ポプラ社、2017年6月)ISBN 9784591154441
  • 思わず考えちゃう(新潮社、2019年3月)ISBN 9784103524519
  • みらいめがね それでは息がつまるので(荻上チキ共著、暮しの手帖社、2019年5月24日)ISBN 9784766002126
  • みらいめがね2 苦手科目は「人生」です(荻上チキ共著、暮しの手帖社、2019年9月16日)
  • ものは言いよう(白泉社、2019年12月)ISBN 9784592733010
  • 欲が出ました(新潮社、2020年7月)ISBN 9784103524526

イラスト

  • ガ-シェン・カウフマン、レヴ・ラファエル、パメラ・エスペランド著、和歌山友子訳『強い自分になる方法―心のちからを育てよう』(筑摩書房、2005年3月)
  • 海堂尊『医学のカラダ』(理論社、2008年1月)
  • 黒井勇人『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』(新潮社、2008年6月)
  • 池内了『時間とは何か』(講談社、2008年7月)
  • 大輪教授飯高茂『ウケる数学!』(メディアファクトリー、2008年7月)
  • 海堂尊『トリセツ・カラダ』(宝島社、2009年11月)
  • イチハラヒロコ『イチハラヒロコの愛と笑いの日々』(ART NPO TACO、2010年8月)
  • 清水由美『日本人の日本語知らず。』(世界文化社、2010年11月)
  • 菊地秀行『邪神金融道』(創土社、2012年10月)
  • 斉藤洋『コリドラス・テイルズ』(偕成社、2012年10月)
  • 木野孔司・齋藤博『100歳まで自分の歯を残す4つの方法』(講談社、2013年3月)
  • 海堂尊『トリセツ・ヤマイ ヤマイ世界を俯瞰する』(宝島社、2013年5月)
  • 五十嵐隆監修『全国30こども病院の与薬・服薬説明事例にもとづく 乳幼児・小児服薬介助ハンドブック』(じほう、2013年11月)
  • 細谷功『やわらかい頭の作り方: 身の回りの見えない構造を解明する』(筑摩書房、2015年3月)
  • 黄川田徹『鼻のせいかもしれません: 親子で読む鼻と発育の意外な関係』(筑摩書房、2015年6月)
  • 齋藤孝『声に出して読みたい 小中学生にもわかる日本国憲法』(岩崎書店、2015年7月)
  • 藤江じゅん『サッカク探偵団 あやかし月夜の宝石どろぼう』(角川書店、2015年7月)
  • 藤江じゅん『サッカク探偵団 (2) おばけ坂の神かくし』(角川書店、2015年12月)
  • 五十嵐隆監修『こどもの医療に携わる感染対策の専門家がまとめた 小児感染対策マニュアル』(じほう、2015年12月)
  • 玄侑宗久『ないがままで生きる』(SBクリエイティブ、2016年1月)
  • 石井郁男『はじめての哲学』(あすなろ書房、2016年2月)
  • 藤江じゅん『サッカク探偵団 (3) なぞの影ぼうし』(角川書店、2016年7月)
  • モーリス・ルブラン著、平岡敦訳『怪盗ルパン 謎の旅行者』(理論社、2016年12月)
  • ジャック・ロンドン著、千葉茂樹訳『世界が若かったころ』(理論社、2017年1月)
  • D・H・ロレンス著、代田亜香子訳『二番がいちばん』(理論社、2017年1月)
  • アントン・チェーホフ著、小宮山俊平訳『大きなかぶ』(理論社、2017年2月)
  • マーク・トウェイン著、堀川志野舞訳『百万ポンド紙幣』(理論社、2017年2月)
  • 山崎ナオコーラ『母ではなくて、親になる』(河出書房新社、2017年6月)
  • 土屋賢二『年はとるな』(文春文庫、2017年10月)
  • 田中美穂/蜂ヶ崎令子『看護学生のための実習の前に読む本』(医学書院、2015年2月)
  • 雹月あさみ『トイレで読む、トイレのためのトイレ小説』(KADOKAWA、2019年1月)
  • 雹月あさみ『トイレで読む、トイレのためのトイレ小説 ふた巻きめ』(KADOKAWA、2020年1月)
  • ふしぎ現象研究会『大人も知らない?ふしぎ現象事典』(マイクロマガジン社、2021年7月)
  • 亀田製菓ぽたぽた焼のパッケージイラスト[13]
  • 東浩紀 『訂正する力』(朝日新聞出版、2023年10月)

出演

テレビ

出典

  1. ^ ヨシタケシンスケ『ものは言いよう』白泉社、2022年3月27日、6頁。ISBN 9784592733010。 
  2. ^ a b 『りんごかもしれない』カバー袖文
  3. ^ “「ほっとする」絵本を出版 浜須賀のヨシタケさん | 茅ヶ崎”. タウンニュース (2015年4月17日). 2022年8月27日閲覧。
  4. ^ “ヨシタケシンスケ氏 | TSUKUBA JOURNAL - ALUMNI”. 筑波大学. 2022年8月27日閲覧。
  5. ^ 「発想絵本3作目発刊 ヨシタケシンスケさん」 毎日新聞 2016年4月27日東京朝刊
  6. ^ 『ぼくのニセモノをつくるには』カバー袖文
  7. ^ わたくし、つまりNobody賞受賞者 2016年10月1日閲覧。
  8. ^ 加治佐志津「【今どき絵本作家レコメンズ特別編】ヨシタケシンスケさんインタビュー ――男児の子育て、どう乗り切る!?」 MAMAPICKS 2016年5月13日
  9. ^ (フロントランナー)絵本作家・イラストレーター、ヨシタケシンスケさん 「不安だらけ」が共感を呼ぶ、朝日新聞デジタル、2022年6月11日。
  10. ^ a b “逃げつづけてきました。”. ほぼ日刊イトイ新聞. 2023年4月22日閲覧。
  11. ^ ヨシタケシンスケ『ものは言いよう』白泉社、2022年3月27日、19頁。ISBN 9784592733010。 
  12. ^ ヨシタケシンスケ『ものは言いよう』白泉社、2022年3月27日、91-93頁。ISBN 9784592733010。 
  13. ^ Impress Watch 『ぽたぽた焼』おばあちゃん刷新 パッケージリニューアル

外部リンク

  • ヨシタケシンスケ公式web

対談

  • ほぼ日刊イトイ新聞 ヨシタケシンスケ☓糸井重里 逃げつづけてきました。
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