ウォータージェット
![]() | この項目では、切削加工技術について説明しています。船舶の推進装置については「ウォータージェット推進」をご覧ください。 |
ウォータージェット (water jet) とは、加圧された水を小さい穴などを通して得られる細い水流のこと。1970年初期にアメリカで開発に成功(現在のFlow[1])。これを用いて切断などの加工を行うことを、ウォータージェット加工もしくはウォータージェット切断と称する。また、刃のように切断することから、ウォーターカッター (water cutter) とも称する。0.1mm-1mmほどのノズルから600MPaほどに加圧した水を噴射し切断加工を行う。ウォータージェットの特徴として、「一度の工程で切断できるため短期間で切断できる」「厚物が加工できる」「切断面をきれいなまま切断できる」「不溶性であれば、複合材などの複雑な素材の切断もできるといった」などが挙げられます。
特徴
- 加工部に熱が加わらないので、熱に弱い物質の加工が可能である[2]。
- FRP(プリント基板)、紙、ゴムシートなどの軟質材、またその他の非金属材料に有効[要説明]である。
- 加工粉塵が空中に飛散せず容易に回収できるので、可燃性の、あるいは人体に有害な粉塵の出る材料の加工が安全に行える[2]。
- 流速を変えることで様々な用途に使える。切削だけでなく対象表面の汚れ落とし、ウォータージェットメスやデンタルフロスなどの医療用途にも用いられる。
- 消防活動にも用いられる。JR福知山線脱線事故の際、ガソリン漏れで気化ガスが充満していたため、引火を避ける目的や被害者の安全のためにバーナーやエンジンカッターなど火炎や火花が発生する救助資機材が使用できずに救助が難航したのを教訓に2007年に東京消防庁や特別高度救助隊(ハイパーレスキューなど)を置く政令指定都市の消防本部に配備された。詳細は「日本の消防車」を参照
- 水は比較的管理がしやすいため、運用費を安くすることができる。
- ウォータージェット使用中に人体に対して事故が起きた場合、通常の切断などとは違った対処[要説明]が必要である。
ピュア・ウォータージェット
ピュアウォータージェットは、ガスケット材、発泡材、プラスチック、紙、使い捨ておむつ、断熱材、セメント板、自動車内装材、カーペットや食品などの軟質材料の加工に適しています[3]。
アブレイシブウォータージェット
アブレイシブウォータージェットの基本的な仕組みはピュアウォータージェットとほぼ同じですが、唯一違う点はカッティングヘッドに研磨材粒子を混入させジェット水流と共に噴出することです。これにより、金属、セラミック、石材、ガラス、複合材などの硬質材料も切断することができるのです[3]。
問題点
ピュア・ウォータージェット
- 硬質材の加工には向いていない。
- 厚いものを加工すると、ノズルの先端から離れるにしたがって、加工精度が落ちる。
- 被加工物が濡れる。
アブレシブジェット
- ランニングコストが高い[要説明]。
- 騒音がかなり大きい。(90dB(A)程度)
- 研磨剤の後処理に費用がかかる。
- カーフ幅が、0.7mm-1.5mmと広い
- 被加工物が濡れる。
脚注
- ^ “ウォータージェットのしくみ-フロージャパン”. フロージャパン. 2024年6月28日閲覧。
- ^ a b “ウォータージェットの利点 - フロージャパン”. フロージャパン. 2024年6月28日閲覧。
- ^ a b “ウォータージェットの仕組みーFlow Waterjet”. www.flowwaterjet.jp. 2024年6月28日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 株式会社フロージャパン- ウォータージェットとは